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ママ高井のかまど作りセミナー報告
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高井さんが心を込めて励んだかまど作り活動の決算のセミナー報告 です。泣いたり、笑ったり、怒ったり、でも、いつも笑顔が素晴らしい 若者です。

アフリカの水を飲んだ人はアフリカに帰ってくるの諺通り、また会える 日を楽しみにしています。
2002年3月3日

"もっと"小さなハートプロジェクト報告書(最終)

実施者;高井 史代(11−3、キスム、村落開発普及員)
配属先;Citizen Social Care Centre(NGO)
プロジェクト名;まき燃料節約かまど(通称エンザロかまど)フォローアッ プ および かまどトレーナースキルアップセミナーの実施
プロジェクト実施地;フォローアップ;Kisumu近郊各地、Asembo Souセミナー;Kisumu市内(Wildlife Clubs of Kenya)
使用金額;21,021kshs

T.実施報告
(1) フォローアップ

1月23日Wandiege Pri. School

7年生の二人の生徒をかまどトレーナーとしてたて、学校近くのコミュ ニティーに2基のかまどを製作。家の人の協力がほとんど得られずほと んど生徒2人と私と同僚の4人で作る羽目になってしまった。

2人の生徒はファシリテーターであって労働者ではない事をきつく校 長にも伝えた。その家の人が自分で作らなければ意味が無いし、多分 使われる事もない。第一かまどトレーナーとなってくれた2人の重荷に なってしまう。

2月 1日Dago

電話で話したときには7基作ったと言う事だったので現地に行って見る と、ただの1基も作られておらず、デモンストレーションで作ったかまど の1つが壊れたままになっていた。この地区は反応もよくきちんとやって いると思っていたのでショックだった。

2月 8日Asembo South

15基作ったという内の9基を見て回った。基本的に良く作られているが 、風向きと薪入れ口とがちぐはぐであったり、調理口と調理口の間が広 すぎるもの、薪入れ口が小さいものが幾つかあったので注意して直す ように促した。あと、この地区のかまどは40cmちょっとのかなり低いも のが多かったので子供の火傷事故防止の観点からもう少し高く作るよ うに勧めた。

2月14日Darajambili

10基作ったという内の6基を見て回った。基本的にとても良く作られて いた。3基ほど調理口と調理口の間が広すぎるもの、薪入れ口が小さ いものがあったので注意して直すように促した。あと、この地区のかまど も低いものが多かったので子供の火傷事故防止の観点からもう少し高 く作るように勧めた。

2月15日Ayweyo

10基作ったという内の4基を見て回った。デモンストレーションで1基し か作れなかったせいなのか、見て回った4基のうち3基は熱効率の非 常に良くない、このかまどを使う意味が全く無いかまどだった。調理口 と調理口の間が広すぎること(1つは25cmもあった!)、薪入れ口から メインの調理口までも遠すぎる(20cm以上)。両サイドの調理口に至っ ては絶対に火が届かないと断言できる。ちきんと説明したけれども、一 抹の不安がのこる…。ただ、この地区は石の全く無いエリアなので10 基も作ったその努力はすばらしいと思う。

(2) セミナー 
   
2月21日(木)から22日(金)にかけて1泊2日でキスムにて開催した。9 つの地域から20名を呼んだ。セミナー前は招待状が現地に届いてい なかったり、植林の事で政府の森林局を訪ねまわったり、セミナー中 は食事の用意などアレンジにかなりバタバタとしたセミナーになってし まったけれども、何はともあれ終わってホッとしている。

セミナー後に出席者自らかまどネットワークを立ち上げるなど、続いて いくかどうかは別としても、当初の目標であった出席者のモティベーシ ョンを高めると言う点では成功と言えるのではないだろうか。スキルアッ プという点ではセミナーのさいごにEVALUATIONTESTを行った結果 、全員が75%以上の回答率を示しており予想を上回った。

植林に関してはJICA のSOFEMプロジェクトから協力を得て行った。セミナー当日にはニャン ザ州の森林局局長が挨拶をしてくれたのを始め、キスム地区の森林局 局長とSOFEMプロジェクトから1人が講師を務めてくれた。

また、SOFEMプロジェクトより160本の苗木を頂き、各地域に分配した 。今後どうなるかは正直なところ全くの未知数であり、どうなるのかわか らないけれども、彼らの地域の森林局と連絡がとりやすい体制には整 えてあげられたのではないかと思う。

U.プロジェクトを終えて

2001年5月から始めたこのエンザロかまどプロジェクトが今回のセミナ ーをもって私にとっては1つの区切りとなった。これまでの約1年間に1 2の地域を訪れ、そのうち9つの地域である程度の反応が見られた。

2月21日現在セミナーに参加した9つの地域でかまどの総数はあわせ て440基にのぼり、このプロジェクトに参加したクループ数は90にのぼ った。私が未熟で至らない点は数知れずあったものの、9つの地域そ れぞれに核となってくれる人が何人か育ち、その地域と彼らが望んで 努力すればこのプロジェクトが私の帰国後も継続していけるようにして きたつもりである。交通・郵便事情が悪く、キスムから離れた地域には なかなかこまめに出向いてみてあげる事が出来なかったのは悔やまれ るが、自分なりに精一杯やったと自負している。

最後に、このかまどプロジェクトを始め、ここまで続けてくるにあたって 数々の助言、援助をしてくださったエンザロかまどの発案者であるJIC A専門家の岸田さんに、JICA(JOCV)のプロジェクトとして直接支援し て頂く事はできなかったものの、"もっと"小さなハートプロジェクトを後 ろから支えてくださったケニア事務所の皆様、募金に協力してくださっ た全ての方々、そして何よりも腹が立ってイライラして怒っている私に 最後まで辛抱強く付き合ってくれたケニアの同僚、友人達に心から感 謝します。

ありがとうございました。