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ナイロビ沼の女主の話 (出生及び命名編)
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命 名

英語の授業(日本)で私たちは、外国人の名前は、First Name (Christian Name) - Middle Name - Family Nameとならいました。ところが、ケニアでは、Christian Name - Given Name - Last Name(Father's Name)となりFamily Nameという言葉はありません。あくまで名前は個人のものであり、家族 をあらわすものではないのです。そして、彼らにとってもっとも重要な名 前はGiven Nameです。私たちが学校で習ったどうでもよいMiddle Nameがケニアでは重要となってくるのです。我が家の例を記します。

祖父
Gatuma Kamau

祖母
Wanjiku Gatuma

長男
Summy Kamau Gatuma

次男
Joseph Karii Gatuma

次男の妻
Motoko Wakatabe


次男の 長男
Jun Gatuma Karii

次男の 長女
Midori Wanjiku Karii


何か見えてきましたでしょうか。

(1) キクユ族、カンバ族の場合は、

Given Name :

長男、長女は父方の父(母)親(本人にとって祖父、祖母)の名前、
次男、次女は母方の父(母)親(本人にとって祖父、祖母)の名前
三男、三女は父方の伯父(伯母)の名前
四男、四女は母方の伯父(伯母)の名前

と、順番に継承していきます。

Last Name:

父親の名前がここにきます。父親のGiven Nameすなわち私たちが言っているMiddle NameがLast Nameになります。女子は、結婚後習慣的にLast Nameを夫のGiven Nameに変えます。

キクユ族は、N、WそしてKから始まる名前が多いようです。ちなみにGa tumaは真っ黒、Karii(カリイでなくカレエと読みます)は、食事という意 味があるそうです。

カンバ族は、男子の名前の最後にkoがつくことが多々あります。Masa ko、Mutukoなんて日本人と同じような名前があります。

(2) ルオー族及びブジア方面のルイア族の場合

Given Name:

農耕や季節に関係した名前がつきます。日本と同じように男女別の呼 び方があって、例えば、雨が降っていて虫がたくさんいる時期に生ま れた男子は、Osii、女子はAmishiとか、乾季の時の子とか作物の種付 け時、収穫時期に産まれた子によって名前がつけられます。男子はO から、女子はAから始まる名前がほとんどです。

Last Name:

キクユ族と同様、父親のGiven Nameがつけられます。女子は、結婚後習慣的にLast Nameを夫のGiven Nameに変えます。


(3) カカメガ方面のルイア族

Given Name:

長男、長女は父方の父(母)親(本人にとって祖父、祖母)の名前、
次男、次女は父方の伯父(伯母)の名前
三男、三女は父方の親族の名前
延々と父方の親族の名前が継承され、該当者なしとなってから母方の 名前が継承されます。但し、生存者の名前は継承しません。昔は、寿 命が短かったので、これでもよかったのでしょうが、今後はどうなるので しょうか。

Last Name:

キクユ族と同様、父親のGiven Nameがつけられます。女子は、結婚後習慣的にLast Nameを夫のGiven Nameに変えます。

その他の部族については、しりません。わかったらお知らせします。

Christian Name:

部族の別なく教会で洗礼を受けた後、この名前が教会から与えられま す。教会の権力というか信仰の根深さを感じます。我が子達は、ここを 日本名としました。ケニア人と日本人のハーフの多くはこのような形式 にしています。信仰に関係なく日本名を引き継ぎたい表れかもしれま せん。

前述しましたように、私の夫の名前は、Joseph Karii Gatumaです。命名方式を理解するのに大変時間がかかりました。なぜ なら、我が家には家名がなく、寄せ合い所帯のようで信じがたかったの です。私は、Mrs. Gatumaと信じてやまず、至るところにこの名前を登録してしまいました 。ケニア式命名でいくと、Mrs. Gatumaは、義理の祖父の奥さんとなってしまいます。

ただ、この順送りの命名方は、戸籍のないケニアにとってはとても便利 です。名前を辿っていけば、たとえ両親を知らなくても、捜し求めること が出きるのです。




今宵の一口コラム

−目は良くても耳は悪い−

最近でこそ、眼鏡をかけている若者を見かけるようになりましたが、暗 闇の中でも誰が歩いているか見極められるケニア人。サファリでは、草 むらの中の動物を、非常に遠くの動物を見つけ出すケニア人。まさに 視力5.0以上かと思わせる驚異の視力の持ち主である。

しかしながら、テレビやラジオのボリュームは常にMaxのところでガンガ ン音をたてている。以前、ケニア名物マタトゥ(乗合バス)は、音楽をけ たたましくならして走るのが格好良いとされ、音楽のないマタトゥは人気 がなかった(後にこれは廃止の方向にむけられたが)。大きな音になれ た耳は、まずドアノックの音は聞こえない。大声で「ハロー」「ホディー」 と自分の訪問を大声で叫ばないと完全に無視されてしまうのである。