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2004年6月 ソンドウ・ミリウ物語 第5話 アフリカ・ニャカチの水の話
ソンドゥ・ミリウ水力発電所プロジェクト周辺は、ニャカチといわれる地域で 、ビクトリア湖のこの辺りはニャカチ湾と呼ばれています。

この地域は大地溝帯の西側に位置し、ビクトリア湖は地溝帯の低地に水が 溜まったものです。この地溝帯の断層が崖となりニャカチ崖と呼ばれプロジ ェクトの上流域は標高1400mから1700m、下流域は標高1200mです。

この上流域の住民は、尾根沿いに住み、生活用水や家畜の飲み水のため に、ソンドゥ川や周辺の沢へ水汲みや家畜を連れて行っています。水汲み の距離は1〜2km、遠回りをすると3kmで半時間から1時間位掛かります。
下流域は浅井戸(5〜20m)や深井戸(60m)が各所に手堀やボーリングマ シーンで掘られ、井戸の管理委員が管理運営しています。

水汲みは子供や婦人の仕事で毎朝夕に20リットルの水の入ったポリタンク を頭に乗せて運んでいます。子供は身体の大きさに合わせて大中小のタ ンクを運んでいます。ロバに背負わせて運ぶのに加え、最近では一輪車 や自転車で運ぶ男性の姿もあります。

この地域では、土木工事の施工業者の鴻池JVが工事用の水を上流域のソ ンドゥ川の取水堰地点から発電所地点まで道路や小道沿いに約10kmの工 事用配水管(100〜200m直径)を設置し、途中10ヶ所に設置した給水所で 住民へ無料で給水していました。

工事の終了に伴い、この工事用配水管は撤去されたため、配水管沿いの 住民は以前の水汲み生活に戻りました。

この水汲みのことから住民がどのように、どのような水を生活用としているか 考えてみました。

私は発電所の運転要員が将来生活するベースキャンプに住んでいます。 キャンプの生活用水の為、深さ120mボーリングを行い、地下水を汲み上 げています。飲料水としての適正を調査するうちに、地元住民の生活用水 にも関心がわき、色々調査しました。

この地域の水源はソンドゥ川、山間の泉、沢水、浅井戸と深井戸です。こ れらの水の水質検査をしたところ、川水や沢水は軟水ですが、大腸菌が見 られ、煮沸処理すれば飲料水となります。浅・深井戸は硬水でフッ素を含 んでおり、浅井戸は大腸菌が見られるように、井戸水は一見透明できれい な水に見えますが、あまり好ましくないようです。そのため住民は屋根で集 水した雨水をタンクにためて飲料水とし、タンクの水がなくなった後で、川 や沢の水、井戸水の順で飲み水として使っています。

深井戸の水を私の住んでいるベースキャンプでは、給水管で各家へ配り 生活用水として、料理用、洗濯、食器洗い、シャワー、植木の水撒きに使 っています。鍋でこの水を沸かすと、白い粉が出てきて沈殿します。硬度を 高くしているカルシウムが結晶するようです。硬度が高いと石鹸の泡立ちが 悪くて洗剤がたくさん必要と不満が出ています。

アルミ製の鍋だと、フッ素もアルミと反応して除去できるようですが、まだ水 質検査まではしていません。煮沸するだけでは体に悪いようなため、近く のキスムという町で水道水を再浄水して20リットルのビンに入れた水を飲料 水として飲んでいます。この水は、地元の人夫の一日分の給料に相当する 200シリングもするので住民には出来ない話です。

最近発見したのは、キャンプ内の住民は井戸水や購入した瓶入りの水より 雨水の方が美味しいと言って、雨水を濾過して後煮沸して飲んでいます。 飲み水の味にはうるさいようです。

地元の子供の中には、タバコのヤニで黄色くなったような歯を見かけます が、これはフッ素の多い水を飲んでいるためと想像します。フッ素の含有 許容値はWHO、日本の水道基準、ケニアの許容値では1.6、0.8、3.0ppm です。この地域のフッ素はケニアでは許容されるが日本では許容されない ものです。ここで紋歯状が出てもおかしくありません。フッ素の処理は化学 薬品の添加やフィルター法がありますが、管理費や材料費の支払い、品 質管理に問題があり簡単には出来ません。アルミの鍋での煮沸の有効性 を本格的に考えるべきと感じています。
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